俳優の東出昌大が30日、代官山蔦屋書店で行われた映画『BLUE/ブルー』(4月9日公開)のトークイベントに吉田恵輔監督と共に出席。才能あふれるボクサー役として出演した東出は、役づくりのために始めたボクシングを、撮影から2年以上経った現在も続けていることを明かした(※吉田恵輔の「吉田」は「つちよし」が正式表記)。 松山ケンイチ×木村文乃×東出昌大の三角関係が切ない…『BLUE』新カット 本作は、映画『犬猿』『愛しのアイリーン』などの吉田恵輔監督が、自身が30年以上も続けてきたボクシングを題材に脚本を書き上げたオリジナルストーリー。人一倍ボクシングを愛し努力するも負け続きの瓜田(松山ケンイチ)と、同じジムに所属し強さと才能を併せ持つ後輩の小川(東出)という対照的なボクサーを軸に展開する。
東出が演じた小川は、日本チャンピオンに手が届くほど才能にあふれたボクサーでありながら、悲劇に見舞われる。東出は「ボクサーとして体作りや技術的なことをトレーニングしていく過程で、どんな気持ちでボクサーが日々を過ごしているのかという精神性も同時に体感できました」とアプローチを述べる。
パンチドランカーの描写についても、実際に経験した人への取材を通して、性格や人間性も変容していくことを知ったことで「吉田監督が脚本に書かれた描写がものすごくリアルなんだなと感じました」と徹底したリアリティーに圧倒された様子。
役づくりを通して、ボクシングに打ち込む選手たちが純粋さとひたむきさ、人の心の痛みが分かる優しさを持っていることを知った東出は「撮影から2年ぐらい経っていますが、今もボクシングを続けているんです。内々でいいので、いつか試合ができたらいいなと思っています」とすっかりボクシングに魅了されているようだった。 また、完成した作品が「あまりにも良かった」ことから、東出は鑑賞後に興奮さめやらぬまま、吉田監督に電話をしたという。しかし、電話口で興奮気味に感想を述べる自身に対して、ほとんど反応がないことをおかしいと思った東出は、通話先を確かめると、なんと相手は吉田恵輔監督ではなく、東出のデビュー作となった映画『桐島、部活やめるってよ』(2012)の吉田大八監督にかけていたというオチをつけて会場を盛り上げていた。(磯部正和)
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