(左から)戸松遥、松岡禎丞、水瀬いのり
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「ソードアート・オンライン」シリーズの新作「劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア」が10月30日に公開される。原作者・川原礫氏が自ら手がけたリブートシリーズ「ソードアート・オンライン プログレッシブ」を映像化した今作は、テレビシリーズ第1期で描かれた次世代VRMMORPG「ソードアート・オンライン(通称SAO)」アインクラッド第1層からの軌跡をヒロインのアスナ視点で掘り下げていく。シリーズ9年目にして、再びつづられる“物語のはじまり”――キリト役の松岡禎丞、アスナ役の戸松遥、そして新キャラクター・ミトを演じる水瀬いのりに話を聞いた。(取材・文・写真/編集部)
松岡と戸松は“9年前の芝居”とどう向き合ったのか
初参加の水瀬が「報われた」瞬間とは
――テレビシリーズ第1期がスタートしたのが2012年。松岡さんと戸松さんは、再び中学3年生のキリト、アスナを演じることになりましたが、「当時の演技」をどの程度意識されたのでしょうか。
松岡 当時のシーンを今の僕が全力で演じたら、全然違うものになってしまいます。でも、当時の自分が演じた全力の芝居をなかったことにはしたくなかったので、どうすべきか考えました。結果として、ラジオ番組などで(《ソードアート・オンライン》キャラクターデザイン・総作画監督の)足立(慎吾)さんとお話させていただいた際に「今の松岡くんで、あの当時のキリトを演じればいいよ。今の君にできるものをそのまま出してしまえばいい」とおっしゃっていただいて吹っ切れました。「当時の自分と今の自分の、いいとこ取りをしよう」という感覚で演じました。
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
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戸松 今回、時系列的には(テレビシリーズ第1期の)第1話よりも過去の話になりますが、新しい気持ちのような、新作を作る気持ちで演じさせていただきました。15歳という年齢の参考のためにアニメは見返しましたが、全部のセリフを一から構築していったような感覚がありました。ありがたかったのは、今作はアスナのSAOに関する経験値がリセットされているところからのスタートだったということです。私も気持ちをゼロにできて、新しいアスナを演じるような気持ちで臨めたように思います。
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
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――過去のオーディションにも参加されていたという水瀬さんは、「SAO」初参加が決まり、今作にどういった思いで臨まれたのでしょうか。
水瀬 今回ご縁があったミトというキャラクターが、「SAO」の“始まりの物語”である《アインクラッド》編に出てくるキャラクターだったことで、これまでのオーディションが報われたような気持ちになりました。
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
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――ミトは新キャラクターでありながら、アスナとかなり深い関係性ですよね。現実世界では結城明日奈(アスナ)の同級生・兎沢深澄であり、「SAO」の世界ではミトとしてアスナと行動をともにするという。
水瀬 アスナが「SAO」の世界に行くきっかけになるキャラクターでもあるので、大きな意味のある役に合格できたという重みを感じながらのアフレコでした。また作品の歴史を感じながら、同時に“新しい風”にもなれたらいいなという気持ちもありました。
戸松&水瀬が表現した分岐点と使命感
松岡は再挑戦のセリフに大満足「自分にグッジョブ!」
――物語がアスナ視点になったことで、特に力が入ったセリフはありましたか。
戸松 「たとえ怪物に負けて死んでも、このゲーム、この世界には負けたくない」というセリフです。あのセリフをきっかけに、アスナはいろんなものを捨てて「絶対に打ち勝つ」と気持ちを切り替える、アスナの分岐点になっています。最初のオーディションの時からあったセリフですし、テレビシリーズにもありましたが、今回の劇場版ではさらにアスナを際立たせるように描いています。このセリフから表情がガラッと変わるんです。約10年が経って、もう一度このセリフを言う時にはいろいろな思いがありましたし、緊張感を持って演じました。
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
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――緊張感という意味では、初参加の水瀬さんもそういった場面は多かったのでは?
水瀬 久しぶりに自分の手汗で台本の紙がパリパリになって、「私、まだこんなにドキドキできるんだな」と感じました。特に(SAOを開発した)茅場さんに「自分の命がかかっている」と告げられ、ゲーム世界の空気が一気に変わるシーンは印象に残っています。「アスナを守らなくちゃ」というミトの使命感が最初に出てくるシーンで、アスナに「大丈夫」と言いながら自分自身にも言い聞かせているようでもあり、ゲームがうまいというプライドも感じます。そういった気持ちを表現するのは難しかったです。
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
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――松岡さんはいかがでしたか? かつて演じたセリフにもう一度挑戦するというのはどういった感覚なのでしょう。
松岡 当時、テレビの前で「ここはもう少しこうしておけばよかったかな」と思ったシーンを、今回は全部納得のいくように演じることができました。
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
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――当時は悔いが残ったセリフを、演じ直すことに成功したわけですね。
松岡 出来上がった作品を観た時にガッツポーズしました(笑)。大満足でした。当時、気になっていたシーンをきれいに塗り替えることができて、「自分にグッジョブ!」と言いたいです(笑)。
戸松 自信作だ!
水瀬 素晴らしいですね!
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