USJが新オープンした「スーパー・ニンテンドー・ワールド」への入り口。
撮影:小林優多郎
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)は3月18日、新しいテーマパーク「スーパー・ニンテンドー・ワールド」を正式にオープンした。
スーパー・ニンテンドー・ワールドは、当初2020年夏頃の開業を予定していたが、コロナ禍により延期。その後、再度2月4日の開業をアナウンスしていたが、2回目の緊急事態宣言の発令により、再延期となっていた。
USJはオープンに際し、手や設備の消毒、屋内の換気、パーク全体の来場者制限に加え、スーパー・ニンテンドー・ワールド単体の入場制限も実施し、感染症拡大防止につとめるという。
オープン前日に体験できたテーマパーク内部とアトラクションの一部から、テクノロジーを駆使した演出を見ていく。
巨大な土管を通って現実世界からゲームの世界へ。普段ゲームでは描かれない「土管の中身」も任天堂の監修でつくられた。
撮影:小林優多郎
土管の中を通るとピーチ城に到着。中には「スーパーマリオ64」のBGMや絵画などが飾られている。
撮影:小林優多郎
パークに入った人の記憶に強く残りそうなのが、この全景。ゲームでおなじみのキャラクターやアイテムが”等身大”の大きさで目前に広がる。
撮影:小林優多郎
パックンフラワーやクリボー、コインまでゲームのように動き回る。
撮影:小林優多郎
パーク内にはさまざまな仕掛けがある。例えば、いたるところにあるハテナブロックは叩くと「チャリーン」とコインの音。場合によっては違う音もする。
撮影:小林優多郎
すべての仕掛けやアトラクションをつなぐ「パワーアップバンド」とスマホのUSJアプリが連動する仕組み。
撮影:小林優多郎
パワーアップバンドを付けた状態でハテナブロックを叩いたり、望遠鏡をのぞいたり、アトラクションで遊ぶと、その結果に応じたコインやスタンプが記録される。
撮影:小林優多郎
コインの数や各種スコアは記録され、アプリやパーク内のディスプレイで確認可能。その日1日のランキングやチーム(パワーアップバンド別に6種類)で競える仕組みもある。
スクリーンショット:小林優多郎
中には「カギ」と呼ばれる特殊なアイテムもある。パーク内のアクティビティーをクリアしてカギを入手すると、ゴールデンキノコを盗んだクッパJr.と対決できる。
撮影:小林優多郎
ミッションの1つ「ねらえ!ノコノコ・POWブロックパンチ」。タイミングよく手前のPOWブロックを叩き、ミドリこうらを飛ばし、上にいるノコノコをひっくり返すゲーム。
撮影:小林優多郎
「とめろ!パックンフラワー・アラームパニック」では、ランダムに鳴り出す目覚まし時計を止めてパックンフラワーを眠らせる。
撮影:小林優多郎
屋外だけではなく屋内にも趣向を凝らしたアクティビティーがある。
撮影:小林優多郎
「キノピオ・カフェ」オリジナルのフードメニューもマリオ一色。
撮影:小林優多郎
スーパー・ニンテンドー・ワールドが「ゲームの現実化」と言える3つの理由
撮影:小林優多郎
今回一部を体験してみた感想として、「スーパー・ニンテンドー・ワールドはゲーム世界の現実化」を考えて作られていることを強く感じる。その理由を3つに挙げてみよう。
1. 説明不要のアクティビティー・アトラクション
マリオシリーズのゲーム作品には、”説明”が少ない。ゲームを進めていくうちにプレイヤーが自然に慣れて、理解できるように設計されている。
その仕組みが、スーパー・ニンテンドー・ワールドにも当てはまる。
ゲームをやったことがなくても、ボックスがあれば叩く、というのはマリオファンは反射的に理解している。
撮影:小林優多郎
例えば、前述のノコノコやパックンフラワーのアクティビティーも、補助や誘導をしてくれるクルー(説明スタッフ)は近くにいるが、基本ルールの説明はあまりないし、直感的にわかるようになっている。
来場者=プレイヤーは、自らインタラクションできる場所を探し、発見して、コインやアイテムを獲得、ライバルたちと競う。これが“現実化したゲーム世界”に没頭できる大きな要素になっている。
2.「記録が残る」テーマパークとして新しい感覚
ランキングやコインの獲得数には「これまで」という項目があり、パークのオープン(先行オープンも含む)から現在までのデータが蓄積されている。
撮影:小林優多郎
パワーアップバンドが必要になる要素だが、コインやスタンプなどの「記録が残る」というのも従来のテーマパークにはない点だ。
もちろん一般的に、スコアーが最後に表示されるものや成績表や景品の類がもらえるものはある。だが、どれもアトラクションごとに独立した“点”の状態がほとんどだ。
スーパー・ニンテンドー・ワールドの場合は、パワーアップバンドですべての点がつながり、線になる設計。記録も後に残るようになっている。
USJのマーケティングコミュニケーション部の山本歩部長は「テーマパークがある限り(データは)残り続ける」とし、何度も繰り返し遊べるゲームに似た体験設計を意識している。
3. ゲーム体験の下支えになっている最新テクノロジー
最後に、これらの体験の裏には最新のテクノロジーがふんだんに使われていることにも触れておきたい。
派手なところで言えば、マリオカートのライドとAR技術の組み合わせ(裸眼でもメガネ装着でも遊べる)や、クッパJr.とのファイナルバトルにおける、プロジェクションマッピングの表現などがある。
パワーアップバンド自体にもこだわりが見える。
撮影:小林優多郎
また、地味なところで言えば、パワーアップバンドの成績記録の"自然さ"にも注目した。
各種ミッションの開始やハテナブロックを叩くといった明確な動作が必要になるものもあるが、中には「双眼鏡を覗く」「指定の場所に立つ」といった何気ない動作だけで成績が記録された例もあった。
USJはパワーアップバンドの仕組みを明らかにはしていないが、筆者はおそらく商品タグなどにも使われるRFID(Radio Frequency IDentification System)などの無線通信技術を活用しているのではないかと予想している。
アクティビティーをスタートするときなどは、パワーアップバンドを”カギ”のパネルにかざす。
撮影:小林優多郎
スマホとパワーアップバンドは、直接通信はしていない。初期登録時にはパワーアップバンド背面のQRコードを読み取るか文字列を入力する。アプリはそのIDに応じた成績情報やランキング情報をサーバーから取得し、表示しているだけだ。
この方式であれば、パワーアップバンド自体に電源が必要なく、スマホもパワーアップバンドからの情報取得のために、電池が減ることはない(画面を操作していればその分余計には減る)。
体験の時間は2時間強ほどだったが、まだまだ見つけきれていない要素があり、プライベートで足を運びたくなった。
撮影:小林優多郎
こういった何気ない技術活用で、パーク体験を変えていくアプローチは非常にユニークだ。
(文、撮影・小林優多郎 取材協力・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)
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