第42回吉川英治文学新人賞が2日発表され、アイドルグループ「NEWS」のメンバー、加藤シゲアキさん(33)の『オルタネート』(新潮社)と武田綾乃さん(28)の『愛されなくても別に』(講談社)に決まった。
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加藤シゲアキさんは、「NEWS」で活動を続ける傍ら6冊目の小説を刊行し、大きな賞を射止めた。
「書くことより、もう書くなと言われることが苦しくなっていると思う」
過去の取材では落ち着いた表情で話していた。
受賞作「オルタネート」は、近未来の高校を舞台にした群像劇だ。SNS社会の進展といった現代的なテーマを取り入れつつ、恋や友情に揺れる高校生たちを書き切った。
「30代に差し掛かって高校生の記憶が薄れていく可能性がある今のうちに書きたかった」
自身は高校1年で、芸能界デビュー。学校と仕事の両立に追われ、青春らしい青春は送れなかった。グループの活動では、「ライバル意識じゃないけど葛藤も生まれ、自分を肯定できないこともあった」という。
その中で読書と出会った。サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(村上春樹訳)を読み、もがき続ける主人公の姿に「これ、オレかよ」と思った。
テレビ番組の企画やロケで見た風景も今作には取り入れた。「歌う日、踊る日、演じる日。僕にはさらに、書く日もある。たくさんのチャンネルができたのは、タレントとしてたくさんの活動ができたからだと思う」
充実感をにじませていたその姿は、紛れもなく作家だ。(待田晋哉)
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