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望海風斗が涙「幸せでした」サヨナラ公演で声震わせ - ニッカンスポーツ

宝塚歌劇団の雪組トップ望海風斗(のぞみ・ふうと)が8日、兵庫・宝塚大劇場で、サヨナラ公演「『fff-フォルティッシッシモ-』~歓喜に歌え!~」「シルクロード~盗賊と宝石~」の千秋楽で、サヨナラショーに臨んだ。同時退団のトップ娘役真彩希帆(まあや・きほ)らとともに、本拠地に別れを告げた。

ショーは、トップ就任前年の16年、地元・神奈川での主演作「ドン・ジュアン」からのナンバーを連発して幕開け。望海自身「(就任前ながら)もうこれで退団しても悔いはない」と振り返ったほど、思い入れの強い作品だった。

望海は03年入団。花組から雪組へ移り、トップに就いた。相手娘役に迎えた真彩は抜群の歌唱力を誇る望海との相性も絶妙で、名コンビとしてファンを魅了した。「希望」コンビの代表作で、最高傑作でもあった「ファントム」から「Home」も披露。真彩との圧巻デュエットも再現した。

今公演は、新型コロナウイルス対策で、出演者の人数が絞られていたが、サヨナラショーには雪組生全員が出演。コロナ禍で退団が半年延期になった望海、真彩らの旅立ちを、全員で見送った。

ショーを終え、最後の大階段あいさつは、タカラジェンヌ正装の羽織はかまではなく、男役王道の黒えんび。望海は「卒業を決めたのは私自身」と切り出し、コロナ禍で公演が危ぶまれた時期を思い「どうなろうとも、と、覚悟をしていました」と吐露した。

昨年に続く2度目の緊急事態宣言も乗り越えて、39日間54公演を完走。「たくさんの人の助けをいただいて、私は毎日、抱えきれない幸せをいただきました。今日ここに、全員で舞台に立てて、最高の幸せをいただきました」と感謝した。

雪組メンバー、相手娘役の真彩、公演スタッフへも感謝の思いを述べ「そして大切な…」と、続けたところで言葉に詰まった。

涙声になりながら「ファンの皆様…」と振り絞り、「出会えてうれしかったです。幸せでした」。ファンとふれあう機会もなくなり、自身もファン経験が長かった望海は「今はただ、皆様にお会いしたい」。ファンを思い、再び声を震わせつつ「本日、私は、大好きな宝塚大劇場を卒業しますっ!」と声を張った。

ショーの後、5度のカーテンコールにこたえ、この日朝、白い衣装で楽屋入りしたと報告。本来なら、大勢の仲間、ファンに迎えられ楽屋入りし、みこしにのって劇場周辺を移動するが、コロナ禍で、それもならず。代わって、組メンバーが「熊の着ぐるみを用意してくれていた」と明かした。

その着ぐるみに身を包んだ望海は「ハチミツのツボ(状のもの)にのり、みんなの化粧前を練り歩きました」と報告。「朝から本当に幸せでした。皆さんも見たかったでしょうが、残念です。でも、想像していただくのは無料ですから」。

つねに冷静な望海らしく、具体的なキャラクター名こそ出さなかったが、「みなさん、○○の着ぐるみを着た望海風斗をが化粧前を練り歩く…想像してみてください」と呼びかけていた。

望海は、相手娘役の真彩希帆とともに、東京宝塚劇場千秋楽の4月11日をもって退団する。

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