落語芸術協会(春風亭昇太会長)の真打ち昇進会見が15日、都内で行われ、東大出身の落語家として人気の春風亭昇吉(41)ら4人がお披露目された。

東大出身者の真打ち昇進は初めて。在学中には東大総長大賞も受賞したエリートだが、「好きだったから」と落語家を目指し、14年前に昇太に入門した。昇吉は「賢いエピソードは山ほどある」と笑いながらも「お世話になった方たちに感謝の気持ちがこみ上げてくる。寄席にお客さんを呼べる落語家になりたい」と話した。

師匠の昇太は、昇吉の弟子入り当時を振り返り「断るつもりで『前は何をやっていたの』と聞いたら『東大です』って。とうとう自分のことを東大卒だと思っている頭のおかしい人が来たと思った」と笑わせた。「着物のたたみ方などもメモも、えりの角度が80度とか書いてあってちょっと違うなと。気象予報士の資格とれる? と聞いたらとってきた。すげーな」と語り「落語に東大の肩書は必要ないけど、能力はすごい。おもしろい存在になったらいいな」と弟子の昇進を喜んだ。

ほかに、三遊亭小笑(40)、春風亭昇々(36)、笑福亭羽光(48)も真打ちに昇進し、登壇。お笑いタレントやマンガ原作者などの職歴を経て落語家になった羽光は「今まで挫折してきたので、こういうつらい時代に、心に闇を持っている人、人生立ち止まっている人の心に響けばいいな」。師匠の笑福亭鶴光譲りの下ネタは封印しないとし「TPOをわきまえた大人ですのでご安心を」と話した。

4人をお披露目した昇太会長は「(若手の勢いで)調子に乗っている落語芸術協会ですが、さらに調子に乗れる新真打ち4人です。若手の人数が多い中、自分の落語はこうだ、というものを持っている人は強い。これからがますます楽しみ」とした。