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グループ魂が“誕生の地”中野で再結成!峯田和伸が駆け付け熱唱し、石鹸は3曲目で号泣(ライブレポート / 写真6枚) - 音楽ナタリー

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2020年末に解散したグループ魂が、昨日1月21日に東京・中野サンプラザホールにて再結成ライブ「一年ぶりの再結成!中野サンプラザ」を開催した。

「一年ぶりの再結成!中野サンプラザ」の様子。(撮影:緒車寿一)

「一年ぶりの再結成!中野サンプラザ」の様子。(撮影:緒車寿一)

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2020年12月30日にYouTubeの生配信で解散を発表し、同時に2022年新春に再結成をすることを宣言していたグループ魂。その言葉通り7人は再びファンの前に立ち、解散前と変わらぬおふざけモード全開、抱腹絶倒のステージで健在ぶりをアピールしてみせた。

定刻である18:00を迎え、誰もがライブが始まるかと思ったそのとき、ステージを覆う幕に映し出されたのは通販会社「夢グループ」の石田重廣社長と歌手の保科有里。2人が通販番組よろしくライブグッズ3品を独特のトーンで紹介すると、観客たちは必死で笑いを堪えながら拍手の代わりに「再結成応援スリッパ」を叩き、その小気味のいい音をホール中に響かせた。普通であればアンコールや幕間に行われるであろうグッズ紹介がオープニングを飾ったあと、ライブの定番曲である「ペニスJAPAN」のコールがスピーカーから盛大に流れ出す。するとステージの両脇に港カヲル(46歳 / 皆川猿時)とバイト君(大道具 / 村杉蝉之介)が現れ、幕には破壊(Vo / 阿部サダヲ)の巨大なシルエットが。勢いよく幕が切って落とされると同時にステージが全貌を見せ、再結成の狼煙を上げるように「ペニスJAPAN」がエネルギッシュに奏でられた。

破壊(Vo)(撮影:緒車寿一)

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「会いたかったよー!」。破壊がファンを目の前に叫んだあと、7人は「アイサツはハイセツよりタイセツ」「モテる努力をしないでモテたい節」という懐かしい2曲を連続投下。序盤こそパフォーマンスに若干のぎこちなさも見られたが、徐々にグルーヴが生まれ、ステージと客席の双方から熱気が立ち上り始めた。つつがなく3曲を演奏し終えたところでMCに入るも、石鹸(Dr / 三宅弘城)が「この日を……待ってました」と泣き出し、暴動(G / 宮藤官九郎)に「もう今日3曲で終わる?」と言われる事態に。小園(B / 小園竜一)や遅刻(G / 富澤タク)も開演早々に感極まってしまった石鹸の姿に驚き、盛大にツッコミを入れ、観客を心の中で大いに笑わせる。ここで暴動は1995年にげんきいいぞうの自宅でグループ魂として初めてライブを行ったエピソードを語り、バンドが“中野生まれ”であることを明かす。そして自身と破壊、バイト君という結成時のメンバーで27年前に披露したネタを一言一句再現。当時の時代を匂わせつつ、27年経っても変わらない芸風であることを改めて証明した。

「一年ぶりの再結成!中野サンプラザ」の様子。(撮影:緒車寿一)

「一年ぶりの再結成!中野サンプラザ」の様子。(撮影:緒車寿一)[拡大]

コロナ禍前は客席に投げ込むことができたスリッパを今は舞台袖に投げ込むことを余儀なくされたり、コール&レスポンスができなかったりと制約はあれど、メンバーとオーディエンスのテンションは以前と変わらないまま。カヲルは「おっぱい元気?」で始まるお馴染みのコール&レスポンスを心の中で行うようリクエストして会場に不思議な一体感を作り出した。そんなひと幕を経て、カヲルの「こっからは新曲ゾーンだよ。よっぽどのファンでも2、3回しか聴いていない『神々のアルバム』から演奏させていただきます。初めて演奏する曲を初めて聴く客。地獄の時間の始まりだぞー」という不穏な言葉から、念仏(Per / ASA-CHANG)を迎えての「サ!セ!テ!イタダイテマス」と、ケーシー高峰の特徴をひたすら連呼する「ケーシー高峰」が披露された。果たしてその仕上がりは、カヲルが「調子いいぜ!」と評するほどの出来。しかし「うまくいきすぎている」という懸念から、7人はやり慣れている1曲として、30代の勢いが歌詞に込められた「Over 30 do The 魂」と、その続編として作られた50代のリアルな悲哀を気だるく歌った「Over 50 めんどくさい」をプレイした。

港カヲル(46歳)(撮影:緒車寿一)

港カヲル(46歳)(撮影:緒車寿一)[拡大]

荒川良々を迎えての時事ネタ満載のコントを挟んで始まったのは、ライブの定番曲である「職務質問」。ミラーボールが客席に光を落とす中、破壊、カヲル、バイト君がマイケル・ジャクソンさながらのキレのあるパフォーマンスを見せ、オーディエンスを沸かせた。続く「欧陽菲菲」では、遅番(Sax / 少路勇介)と念仏が合流しダイナミックなアンサンブルを響かせ、「さかなクン」ではバイト君が本家であるさかなクンさながらのハイテンションなステージを展開。さらに、カヲルが女子高生に扮する「High School」をはじめ、「ラーメン二郎」「押忍!てまん部」「チャーのフェンダー」といった、笑いなくしては聴けない新旧の楽曲が続き会場は熱気に包まれた。

暴動(G)(撮影:緒車寿一)

暴動(G)(撮影:緒車寿一)[拡大]

その後、学ランに着替えたカヲルがステージに現れコント「皆川スポーツ」がスタート。途中で峯田和伸銀杏BOYZ)がスペシャルゲストとして登場すると、カヲルは彼の大ファンであることを猛烈にアピールし始め、次第に常軌を逸した行動で峯田を戸惑わせる。最後にカヲルが峯田に包丁を突き立てるという物騒なオチがついたところで、峯田と破壊がツインボーカルで熱唱する「モテる努力をしないとモテないゾーン」へ。再結成の門出にふさわしいコラボレーションが繰り広げられたのち、峯田は「再結成おめでとうございます。宮藤さん、僕が苦しいとき、寂しいときに連絡くださってありがとうございます。いつか、必ずでっかい恩返しをさせてください」と懸命に祝辞とお礼を述べる。すると、暴動はレコーディングに遊びに来た峯田を騙し討ちするように歌わせ、そのまま「モテる努力をしないとモテないゾーン」を音源化したことを白状。その流れから破壊の「せっかく来てもらったし、もう1曲」というリクエストからグループ魂の代表曲「君にジュースを買ってあげる♡」が届けられた。念仏も交えての「いわきアンモナイト音頭~いわき兄弟~」と「それでも生きなきゃ死んじゃう音頭」という新旧のグループ魂流の“音頭”を挟み、本編ラストを飾ったのは中年の哀愁を叫ぶパンクチューン「もうすっかりNO FUTURE!」。そこはかとなく感動的なムードが漂う中、メンバーは颯爽とステージをあとにした。

「一年ぶりの再結成!中野サンプラザ」の様子。(撮影:緒車寿一)

「一年ぶりの再結成!中野サンプラザ」の様子。(撮影:緒車寿一)[拡大]

アンコールでは破壊扮する歌舞伎役者・九代目中村屋華左右衛門司会のもとゲーム大会が行われ、会場は大盛り上がり。最初は旗揚げゲームならぬ“スリッパ上げゲーム”だったのが、いつの間にかカヲルとのじゃんけん大会へと変わり、グループ魂らしい自由な展開に。平均年齢53歳というメンバーの思いが込められたポップチューン「痛風だけど恋愛したい」で観客をほっこりさせたあと、7人はこの日のゲストを呼び込み2005年リリースのパンクチューン「TMC」を熱唱。曲のクライマックスではカヲルが兜にパンツ1枚という姿になり、煌びやかなリボンテープがステージ中央に向かって放たれ、舞台上の全員がテープまみれになるなどカオスな状態に。アウトロも終わらないうちにカヲルは「帰れよ! 退館時間だよ!」とキレ気味に叫び、「もう限界なんだよ。再結成したけどこの先の予定白紙なんだよ……フェスとか出たいな、ワンマンはもういい。フェスに呼んでくだせえ!」と本音をぼやく。そして、最後はワンマンライブ恒例の三三七拍子をもって再結成公演を締めくくった。

なお、PIA LIVE STREAMではライブのアーカイブ映像を明日1月23日23:59まで配信中。チケットは明日20:00まで販売されている。

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グループ魂「一年ぶりの再結成!中野サンプラザ」2022年1月21日 中野サンプラザホール セットリスト

01. ペニスJAPAN
02. アイサツはハイセツよりタイセツ
03. モテる努力をしないでモテたい節
04. サ!セ!テ!イタダイテマス
05. ケーシー高峰
06. Over 30 do The 魂
07. Over 50 めんどくさい
08. 職務質問
09. 欧陽菲菲
10. さかなクン
11. High School
12. ラーメン二郎
13. 押忍!てまん部
14. チャーのフェンダー
15. モテる努力をしないとモテないゾーン
16. 君にジュースを買ってあげる♡
17. いわきアンモナイト音頭~いわき兄弟~
18. それでも生きなきゃ死んじゃう音頭
19. もうすっかりNO FUTURE!
<アンコール>
20. 痛風だけど恋愛したい
21. TMC

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