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「石鹸が立っていた」漫画家 ・髙橋ツトムさんがこよなく愛した名物サウナ|@DIME アットダイム - @DIME

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髙橋ツトムさん

10代の頃から、サウナに親しんでいたマンガ家・髙橋ツトムさん。そんな氏が心底愛し抜いたサウナがかつてあった。『サウナ東京ドーム』……その伝説となった施設の魅力をとことん語る。

「東京ドームサウナ」にほぼ住んでました

 最近のさ、サウナブーム? 本当言うとさ、ちょっと複雑だよね。

 ほら、今はコロナっていうのもあるじゃない?

 人気あるサウナなんかは、コロナ対策で人数制限してるところに、テレビとかで取り上げられるとお客さんが詰めかけちゃうから、サウナの順番待ちが出たりするんだよね。

 ちょっとサウナの順番待ちってどういうことよ? って思っちゃうわけよ。

 そのサウナに昔から通ってた常連さんも複雑な気持ちだと思うしさ。

 そしたらホームページで『今、何人待ちです』なんて出るようになって、それはそれでスゴイことになっちゃてるんだけどね。

 だからオレ、最近のサウナブーム、乗ってないんですよ。ひとり用サウナとかよく宣伝入ってくんだけど、

「何ですか!?」

 みたいな。

 ブームになるのが悪いわけじゃないけど、行きすぎというか、退廃感がないっていうか。

 何でこうなっちゃったのかね?

 サウナ好きなったのは16~17歳の頃かな。品川区・武蔵小山の中原街道から商店街に入ってすぐの左側。名前は忘れちゃたけど。

 これいっちゃあアレだけど、当時のサウナは不良の入り口ですよ。不良が行って、麻雀やって、酒呑んで、喫煙バリバリで、健康とはほど遠い場所。

 それは最初の体験だけど、オレにとってのサウナの頂点は「サウナ東京ドーム」なんだよね。

 多分、あれを超えるサウナはないですね。もう住んでるレベルでいた。

 ほぼほぼ毎日、朝11時から夜の10時までいましたね。

「サウナ東京ドーム」には2つコースがあって、ノーマルとロイヤルコースって言うんだけど。

 ロイヤルにはひとつひとつ間仕切りになってるイスがあって。で、オレがマンガ家で、その間仕切りの中で仕事するって向こうもわかってたから、気を使って一番奥のブースに入れてくれて。もうサービスから何から何もかも完璧だった。

 そこが何で完璧だったかというと、ん~教育だと思うんですけど、まずは超清潔! 施設が古いとか新しいとかじゃなくて、スタッフのとにかく清掃に対する意識がメチャクチャ高いッ。

 それがもう見てて本当に気持ちイイ。毛が1本も落ちてないみたいな。知ってます? 石けんが全部立ってたんですよ。誰かが石けん使って体洗い終わってどっか行くと、すぐにスタッフが来て掃除して、石けん立てていったんですよ。

 要は、立たなくなるような薄い石けんはないってことです。それだけで、どれだけ行き届いていたかっていうのがわかるじゃないですか。

 そこのロイヤルコースっていうのは、マッサージが込み。だからちょっとスペシャルなお値段なんですけど、すごく相性のいいマッサージの方がいて、その人のマッサージが大好きでね。それがあるから行くのもありましたね。

 その人が『JUMBO MAX』の峯村佳代さんのモデル。

 初めてマッサージしてもらった時に、手が温かいって、

「これ何だァァ!」

 って。もうストーブみたいっていうか、電気毛布みたいだったから。この仕事するうえで手が温かいって、

「天賦の才ですね。すてきですねぇ」って。

 だけど、そんな「サウナ東京ドーム」が閉店するってことになって(2013年8月31日)。これは自分の家がなくなるレベルの大変な衝撃でね……。もう最後の1か月くらいは完全に毎日いましたね。

 それで決めた。オレは「サウナ東京ドーム」の最後の客になろうと。閉店の日に最後に店を出て行く客になろう、と。

 本当は「サウナ東京ドーム」ではマッサージの予約は取れないんだけど、最後の日だけは、そのマッサージのコに、

「オレが最後の客になるから、最後の枠はオレにしてくれ!」って。

 それで最後マッサージ受けて。

 本当に真面目な人で、プロフェッショナルに徹していて、本当に余計なことも言わないし、マッサージの人がラウンジ出てきてペラペラしゃべったらいけないんだけど……。

とにかく清掃に対する意識が高いから見ていて本当に気持ちいい

髙橋ツトムさん

PROFILE
1989年、モーニング(講談社)にて読み切り『地雷震』でデビュー。代表作に『スカイハイ』『鉄腕ガール』『SIDOOH─士道─』『残響』など。現在、ビッグコミックスで『JUMBO MAX』、ビッグコミック増刊(小学館)にて『ギターショップ・ロージー』を連載中。

髙橋ツトムさん

「サウナ東京ドーム」最後の日、2013年8月31日。最後の思い出に、鏡に映る館内着姿の自分をスマホで自撮りした。

髙橋ツトムさん

髙橋ツトム作品のネームが実はここで練られていた『サウナ東京ドーム』ロイヤルコースのブースで仕切られたラウンジ。

エレベーターの中で号泣した最終営業日

 その時はわざわざラウンジに出てきてくれて、

「本当にお世話になりました」

 って。もうオレ、頼まれてもないのにサインしちゃって!

 閉店の一か月前から、ほかのマッサージのコも、どこどこのサウナに移りますとか話してて。そのコにどこ行くの? って聞いたら、まだ決めてないんですって言うんだよ。マッサージ続けるかどうかもわからないって。

 その時ばかりはさすがに、移る店決まったら連絡くれって電話番号渡しましたよ。

 結局電話なかったけど……。

 それでオレ、ちゃんと決めたとおりに最後の客になったんですよ、粘ってたから。

 そしたらスタッフの方とかも、全員入り口まで出てきて、受付の人からマネジャーから。それでサウナのあった3階から、皆さんに見送られながらエレベーターで下まで降りたんですけど、オレ、エレベーターの中で号泣ですよ!

 サウナなくなっただけで号泣!!

 それから考え方変えました。サウナは行きますけど、サウナに家みたいなの求めちゃダメだと。ネーム作る時はホテル行くことにしました。

 今のサウナも「サウナ東京ドーム」のあのすばらしさをもっと勉強したほうがイイと思う。

 水の温度下げりゃいいってもんじゃないんで。それ競ってもしょうがないでしょ、って。

「アソコの水風呂は何度です」

 とか言ってんのは、クルマでいうエンジンの排気量とかと一緒。ドライビングスキルじゃないんですよ、それは。他にもっと見るべきところがあるんじゃないかなぁ。

『JUMBO MAX』

JUMBO MAX小学館/1〜5集が発売中
平凡な生活を送っていた薬剤師・曽根建男。ある日不能だった自分に信じられぬパワーを与えるED薬を再現しようと、自分で薬を作り始め、人生が大きく動き出す……大人気サスペンス!!

『JUMBO MAX』

主人公・曽根建男が横須賀で入るサウナは、2年前まで実在した『サウナトーホー』がモデル。実は髙橋ツトム氏の父上の実家が、このすぐ近く。ちなみに髙橋氏が今お気に入りのサウナは『厚木健康センター』。「湿度が最高!」とのこと。

『JUMBO MAX』

『サウナ東京ドーム』での実体験から『JUMBO MAX』4集に登場する手の温かいマッサージ師・峯村佳代。

髙橋ツトムさん

取材・文/カーツさとう 撮影/小倉雄一郎

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声優 石川界人さん
「人気声優が語るいい仕事をするためのサウナ活用法」

漫画家 髙橋ツトムさん
「東京ドームサウナの石けんは立っていた」

楽天地スパ 背中流し歴32年 若杉とし子さん
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September 09, 2022 at 05:32PM
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