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体の洗いすぎは健康に良くない? 石けんなし歴5年の医師の見解は - Lifehacker JAPAN

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ウイルス感染予防のため手洗いを徹底しているついでに、体を洗いすぎている人がいるかもしれません。

でも、体の洗いすぎに注意を促しているのは、ジェームズ・ハンブリン医師です。イェール大学で公衆衛生学を教え、Atlantic誌のライターでもあります。

この5年ほど、彼は体を洗うのに石けん類を使っていないそうです(もちろん徹底した手洗いは実践)。

元は節約・時短のためにとりあえずはじめた石けんなしシャワーですが、体臭はひどくならずに湿疹が良くなったことから今でも続けているそうです。

皮膚のマイクロバイオームは重要

The Atlanticでハンブリン医師は、皮膚は「免疫系最大の臓器」だと述べています。

皮膚が免疫系…? 皮膚は体の内部を守る袋のような構造的な臓器だと漠然と思っていました。

皮膚が免疫系だというのは、マイクロバイオーム(細菌叢・さいきんそう)の働きが免疫に関係があるから。

マイクロバイオームといえば腸内のものが脚光を浴びていますが、皮膚にもあり、そのバランスは腸内のものと同じように健康に影響を与えるのだそうです。

カリフォルニア大学サンディエゴ校の皮膚科医リチャード・ガロ氏が最近行なった研究を挙げます。

研究チームはネズミを2グループに分け、大部分の人の皮膚にある表皮ブドウ球菌の異なる2種類の株をネズミの体につけました。

そしてネズミを日焼けさせガン細胞の発生を調べたところ、一方のグループのほうがガンの発生が少なかったのです。

そのグループがつけられた株は6-N-hydroxyaminopurineという化合物を産生しており、ガロ氏はその化合物がガン細胞の複製を抑制しているようだと理論づけました。

The Atlanticより引用翻訳

単なる袋だと思っていた皮膚がそのマイクロバイオームによって、体に有益な化合物を産出しているなんて知りませんでした!

タモリ式入浴法も、肌と健康のために最適だった?

あまり汗をかくほうではなく、特に冬にはバリバリの乾燥肌に悩む筆者は若い時のように毎日石けんでゴシゴシ体を洗うことはしなくなっていました。

それでも、ハンブリン医師の石けんなしシャワーには驚いて調べてみると、日本でも「タモリ式入浴法」というのがあるではないですか。

5年ほど前に知られるようになった、石けんを使わずただお湯につかるというシンプルな入浴方法です。

確かにタモリさんは若々しくて肌も健康そうですが、それにはこんな秘訣(?)があったのでしょうか。

Healthpressの記事で、皮膚科医の池田大志先生が皮膚のバリア機能に悪影響を及ぼす行為として、以下の4つをあげています。

皮膚のバリア機能に悪影響を及ぼす行為

(1)皮膚が濡れたままの状態でいること

(2)界面活性剤に触れること

(3)体温より高いものに触れること

(4)皮膚をこすること

Healthpressより引用

その上で、石けんを使わないタモリ式入浴をすすめており、また先生自身も石けんなどは使わず軽くシャワーを浴びるだけだと述べています。

清潔と衛生は同じ?

では、石けんを使わないことが肌に良いとしても、なぜ店頭にはあんなに多種多様な石けんやボディウォッシュ類が並んでいて、それらを使うのが当たり前だと思われているのでしょうか。

なぜ、浴室や洗面所に多くの製品が並んでいるのが普通なのでしょうか。

この点について、ハンブリン医師はマーケティングが絡んだ「cleanliness(清潔さ)」と「hygiene(衛生)」は別モノだと断言しています。これは意外な盲点でした。

ハンブリン医師のThe Guardianの記事などを読むと、毎日多くの製品で体を洗い「清潔」になっていることによって、病気予防のための衛生や健康が向上しているとは限らない側面が見えてきます。

著者の子ども時代には家にあるのは固形石けんだけで、誰もがそれで手も体も洗っていました。今では数かぎりない選択肢を目の前にして、とまどってしまうこともあります。

それもシンプルな固形石けんへの愛が変わらない理由の1つかもしれません。ただ、その石けんさえも手洗い以外には不要なのか? と思うと少しさみしい気がします。

ただ、ハンブリン医師は石けんの使用に反対しているわけではありません。

「肌の調子が悪ければ製品の使いすぎや洗いすぎをやめてみるという選択肢がある」というのが彼の主張です。

また「ひとりひとりのマイクロバイオームは異なるので、使用を少しずつ減らし様子を見るのが良い」と提案しています。

そういえば筆者も数年前、湿疹が指にできて塗り薬をもらったことがありました。

塗ると少し良くなり、また悪化するのを繰り返していましたが、塗るのをやめた(正確には忘れた)時、知らない間に治っていました(あくまでも個人の経験です)。

もしかしたら良くなったり悪くなったりを繰り返していたのは、マイクロバイオームがバランスを取ろうとしていたのかもしれません。

思っていたよりもずっと奥の深い皮膚の機能や、衛生と清潔の違い意識してみると発見が多そうです。

ハンブリン医師は3年を費やしたリサーチを『Clean: The New Science of Skin and the Beaut of Doing Less』にまとめました。

彼の前著『If Our Bodies Could Talk: A Guide to Operating and Maintaining a Human Body』もおもしろかったので、新著も楽しみです。

Clean: The New Science of Skin (English Edition)
If Our Bodies Could Talk: A Guide to Operating and Maintaining a Human Body (English Edition)

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Image: Shutterstock

Source: The Atlantic, The Guardian, Healthpress

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September 22, 2020 at 10:00AM
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