上白石が演じる橘安子は、1925年3月22日、日本でラジオ放送が始まった日に、岡山市内の商店街にある和菓子屋「たちばな」で生まれる。御菓子司「たちばな」の看板娘で、あんことおしゃれが大好きな女の子。ラジオ講座をきっかけに英語を学び始めるという役柄だ。
――本作に出演することが決まったときの気持ちは?
やっぱり“朝ドラ”のヒロインには憧れていました。いろんな方が「萌音ちゃん“朝ドラ”っぽいね」と言ってくださることもあって、だんだんいつか出られたらうれしいなと思うようになっていったんです。ヒロインなんておこがましいともずっと思っていたので、感慨深いですし気合いも入ります。
わたしは物語の3分の1を担わせていただきます。通常半年かけて描く物語を3分の1に凝縮しているので、内容も3倍濃縮でとても濃く、1年分くらいの重みと実感があります。毎シーン撮るたびに心が震えます。
――安子の役柄の印象、共演者の印象や気になる登場人物は?
安子は本当に普通の子なんです。朝ドラのヒロインって何かを発明したり、夢を目指して追いかけたりする人物が多いと思うんですけど、安子はひとりの人間として生きた人。そこにすごく共感しますし、生きているだけでドラマだなと感じます。命の大切さみたいなものを安子から教えてもらっていますね。
松村さんは、英語の発音がとてもきれいなんです。熱心に勉強されていましたし、シーンを重ねるたびに音がきれいになっていって、さすが音楽をやる方だなと思いました。村上さん の役(勇)も母性をくすぐるんですよ! 安子にとっては本当に気の置けない幼なじみで、からかってきたりふざけたりもするんですけど、いざというときにポンと背中押してくれるのが勇なんです。嫌味なく心から人のためを思ってやれちゃうところがいいですよね。
――収録に参加してみての現場の印象は?
とてもムードがいいんです。スタッフのみなさんが明るくて、キャストもみなさんすてきな方ばかりで、ただ輪の中に入っていれば無条件に楽しくなれるような現場ですね。でも、いざというときの集中力とか緊張感みたいなものもすごくあって、お芝居がしやすい、居心地のいいところです。
ずっと同じチームで作品をつくり続けていらっしゃるスタッフさんたちの、お互いへの信頼みたいなもののおかげかもしれません。
――視聴者へのメッセージをお願いします。
もう『カムカムエヴリバディ』というタイトルがすべてのような気がします。みんなおいでよ! よってらっしゃい、みてらっしゃい! みたいな、温かくて優しい大きな空気感がすごくすてきなドラマだと思うので、ぜひ楽しみにしていてほしいですね。これをきっかけに、親子や家族のつながりをより愛おしく思っていただけるんじゃないかなと思います。
和菓子屋の娘であるということも、安子が大人になればなるほど大切になってくるので、物語の軸のひとつとしてご注目ください。つらいことも起きるのですが、藤本(有紀)先生の脚本はどんな状況でも笑えるのがすごく救いで、しあわせな瞬間や温かい交流がすごく大切に描かれています。温かくすばらしい脚本を最高のかたちでお届けできるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!
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