ドラマ「キイハンター」や映画「柳生一族の陰謀」などで知られ、ハリウッドでも活躍した俳優千葉真一(ちば・しんいち)さん(本名前田禎穂=まえだ・さだほ)が19日午後5時26分、新型コロナウイルス感染症のため千葉県君津市の病院で亡くなった。82歳。葬儀・告別式は近親者で行う。元妻は女優の故野際陽子さん。

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亡くなった千葉さんは、アクションスターとしてハリウッドに進出した俳優業と同様、私生活も派手で話題が多かった。

68年ドラマ「キイハンター」共演で出会った野際陽子とは72年に結婚するまで交際4年半。さまざまな経過が伝えられ“永すぎた春”とも報じられた。72年の婚約発表会見で千葉さんは「追い詰められた」と苦笑いし、色男ぶりを見せた。

その野際さんとは22年の結婚生活。長女の女優、真瀬樹里も誕生したが、94年に離婚した。事業による負債を抱え、ハリウッドでの映画製作という夢みる千葉さんに、野際さんから離婚を申し入れた。会見で千葉は「彼女の方から“キイハンター”と同じような友達関係に戻ってみたいと申し入れがあって、了解しました。私が映画バカと呼ばれるくらい夢を追い過ぎ、家庭を顧みずつらい思いをさせた」と謝罪した。

96年に28歳下の一般女性と再婚。長男の新田真剣佑と次男の眞栄田郷敦に恵まれ、ロサンゼルスで生活していたが、12年に帰国。15年に離婚したが、その前後には、54歳下の女子大生の新恋人を息子2人に紹介したという豪快なエピソードも報じられた。

奔放な私生活だった千葉さんだが、3人の子供は溺愛した。97年に真瀬と時代劇で共演した際は「うまい殺陣(たて)をしますよ」と親バカぶりを見せながら娘の演技を絶賛。19年11月に開かれた千葉さんの芸能生活60周年パーティーに真瀬、新田、眞栄田がそろった際には、千葉さんは感無量の表情で3人と抱き合った。

新田は海外での活動をメインにするため6月に渡米。眞栄田も父親譲りのパワフルな肉体美を持つ。ともに英語も堪能。千葉さんのイズムや、スケールの大きさが引き継がれている。